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裏庭【梨木香歩】 私が読んだ物は新潮文庫です

ストーリー
丘の麓にある「バーンズ屋敷」には何か秘密がある。 主人公の照美は幼いころよくここで友達と遊んでいたのだが 双子の弟のが死んでからは英会話塾にやらされ、屋敷と疎遠になった。 友達の綾子のおじいちゃんから照美は「バーンズ屋敷」の不思議な話をよく聞いていた。 そのおじいちゃんが脳溢血で倒れたとき、照美の足はなぜか「バーンズ屋敷」に向かい 彼女はそこで不思議な「裏庭の世界」に行ってしまう・・・といったお話。

ジャンルとしてはファンタジーに属するこのお話。作者の梨木香歩さんは「西の魔女が死んだ」で 第28回日本児童文学者協会新人賞、第13回新美南吉児童文学賞をとった人です。ここで紹介 した「裏庭」では第1回児童文学ファンタジー大賞を受賞しました。
このお話は、小学生に読ませる「児童ファンタジー」としてはかなり難しいと思うけど、 読む価値のある素晴らしい小説だと思います。とにかく、内容が深い。私は一回読んだだけでは その深さを全て読み取ることはできませんでした。現実の世界と「裏庭」の世界がどう繋がっているのか、「裏庭」の世界のこの人物は、現実世界のだれなのか、とか。 今度は「西の魔女」を読んでみたいな、と思い中。

余談だけどこの間、電車の中で梨木香歩の「からくりからくさ」を読んでいる人を見た。なんか親近感が沸いたなぁ

海と毒薬【遠藤周作】 やっぱりこれも新潮文庫

ストーリー
最初の部分の語り「私」は胸を患う男である。「私」は気胸をするために引っ越した先で医師を探した。その町にいるのは「変わり者」の勝呂医師だけだった。「私」は、最初は気乗りしなかったが仕方なく勝呂医師の所に気胸を入れてもらいに行く。実際に治療を受けてみて、勝呂医師がとても良い腕をもつ医者ということが分かった。しかしこの医者は九州の大学付属病院で米軍捕虜の生体解剖を行った医者達の内の一人であった。彼、いや、彼らをその残虐な行為に駆り立てたのはなんであったのか。勝呂医師の若かりしころの回想が本編になる。


父親に数年前、「お前もそろそろ遠藤周作を読んでも良い頃だ」と私は父親に言われたことをずっと覚えており、彼の言うとおりに「読んでみよう」という気になり、手始めに「海と毒薬」を購入した(ブックオフで)
読んでみると、これは私にとってかなりショッキングな内容でした。内容は説明しないけど。その時代の人間それぞれの思惑とかそういうのが生々しく表現されていてグロいもんでした。生体解剖の時のスリルもさることながら最後のところの「○○の告白」(解剖に加担した人たちのそれについての告白)のシーンのほうに私はグロさを感じました。この本の読みどころは「勝呂医師」「戸田医師」「大場看護婦長」「上田看護婦」の内面だと私は思います。対照的な「勝呂医師」と「戸田医師」、対立する(?)「大場看護婦長」と「上田看護婦」。人間の内面の汚さ、儚さ、弱さ。そういったものがホントに生々しく気持ち悪いくらいに表現されている。
ところで中学校かなんかのときに、この「海と毒薬」を文章問題にした国語のテストをしたことがあるなぁ。戸田の半生を書いてる部分で、彼がまだ中学生だか高校生だかの頃の。彼は先生の大事にしている蝶々の標本を盗み壊したのだが、別の少年が犯人としてつかまり、その彼は先生の標本を盗んだことを自分の誇りのようにしていて(実際盗んだのは戸田なのでこの少年は嘘をついている)、それを見た戸田は自分の中にそれまであった罪の意識を無くす。彼の人生のターニングポイントといえるところです。ここが昔国語の模試かなんかに出てたんだとゆーことに、なんか笑ってしまったなぁ。


伝染るんです。【吉田戦車】

吉田戦車さんはこの作品で第37回文藝春秋漫画賞を受賞しました。「モーニ○グ娘。」の「。」の 元ネタなのではないかと思われる「伝染るんです。」。読むとなんか別世界が開けます。 絵は多少雑だけど、それを補って余りある豊富なネタはきっと貴方を幸せにします

ぽっかぽか 【深見じゅん】
ストーリー
田所慶彦、麻美、あすか三人家族の日々の暮らし。 いろいろあるけど家族3人仲良く楽しく適当にのんびり暮らす・・・といった話。

虐待、死などの重いテーマを扱っても、暗い話にならない、いろいろな示唆を与えてくれます。
結婚、出産、その後・・・といったような話です。一話完結。
「将来こんな家族になりたい」と人々に思わせるような感じです。ちなみにドラマ化もしてます。 深見さんの作品では他に「悪女」もドラマ化しました。この人はストーリーがとても良いので 長い間人気があります。私も好き。多分まだ連載してると思われ。


兎の眼【灰谷健次郎】珍しく角川です
ストーリー
新任教師の小谷芙美先生が一応主役なのかな…。新米教師と子ども達の関わり、大人全般と子ども達の関わり、みたいのが中心です。小谷先生は問題児鉄三を受け持ち、最初は彼に泣かされてばかりいるが、だんだん鉄三を理解し心を開き、鉄三も小谷先生に心を開いていく。(彼は作文で「こたにせんせもすき」と書く!)教師として成長していく小谷先生と、同様に成長していく子ども達。これ読むと教師っていいなーと思います!


村上春樹熱が高校生の頃よりもめてきた(良いことだ。冷静になった)と思ったら今度は灰谷先生に一撃を喰らってしまいました。読むきっかけは授業の期末レポートだったんだけど…。「兎の眼」をマッハで読んで、次に「私の出会った子ども達」「優しさとしての教育」「子どもに教わったこと」を3つ続けて爆読。次に「太陽の子」をじわりじわりと読み、最後のシーン(敢えて言わない)でほろほろと泣。そしてブック○フに行き、そこにあったもので私が持っていないもの(100円コーナーに限る)をすべて買いあさる。その日灰谷健次郎さんのコーナーにやけに空きがあったのは私のせいです。

灰谷健次郎さんっていうと「児童文学者」ってそーゆー言われ方よくされますよね。でもそれが果たして「児童のための児童文学」なのか「大人のための児童文学」なのかといったら…と私は思います。灰谷さんはもともと先生をしていたので、このような生々しい現場の視点で子どもを描くことが出来るのでしょう。彼でなきゃこんな作品は書けないと思うな。
灰谷さんの作品では、随所に彼自身の体験したことが書かれています。あれこれ言い出すときりないけど、この「兎の眼」では、伊藤みな子(知的障害を持つ女の子。学級でほんの少しの間預かる)、足立先生(兄は自殺。灰谷さんのお兄さんも…)…探せばきっともっとあるよなぁ。特に足立先生という先生は、ひょっとして灰谷さん自身なんではないかと疑っております…


超獣伝説ゲシュタルト【高河ゆん】エニックス!!
ストーリー
呪われた島、ゲシュタルト王理、月白、天子、流香、砂絵、宝、蒼子兄弟の中で、ゲームに勝ったものが家の後継者となり、すんごい力を与えられる。主人公は王理で、ちょっと強すぎるのでハンデとして性別を変えられ(男→女)、魔法と召喚のレベルが下がっている。
でまぁそれは置いといて、王理は超美人の司祭オリビエ(男)を好きになり、オリビエ、ダークエルフのスズ、占い師で元聖騎士のシャザーンと旅してます。で、なんか今のところ、オリビエには何か邪悪な感じの出生の秘密があって…オリビエの中には第二の人格みたいのがあって…て感じでなんやらよー分かりません!!現在進行形なんで。誰か知ってる人いないかなー!!?高河ゆんの絵がかなーりイヤーンな感じで可愛くてよい…♪とにかくファンタジー好きな人、読むと面白いよ。



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